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アンティークの魅力

主幹研究員 加藤竹彦

 私はアンティークが好きである。アンティーク(antique)は元来フランス語で、そのまま英語でもある。英和辞典をひくと「古美術品、骨董品。米国の関税法では100年以上経過したものをいう」とある。日本でも骨董は幅広い層で受け入れられている趣味だが、ヨーロッパでは特に大変な人気である。

 以前ロンドンに暮らしていたとき、現地のテレビ放送を観ているとアンティーク関連の番組が結構流れていた。最もポピュラーなのが、毎週日曜のBBC番組「Antiques Roadshow」である。いわゆるお宝鑑定番組で、会場が毎回変わるのだが、本当に沢山の人々が行列を作って鑑定を待つ様子がわかる。素晴らしい骨董品が紹介されることが多く、また内容もわかりやすいので楽しみにしていた。

 ほかにも、プロの鑑定士が個人宅の屋根裏に眠っている荷物のなかから値打ちのある品を選び出し、オークションで売るという番組や、ふたりの出場者が同額を持って蚤の市で品物を買い、別な蚤の市でそれを売って勝敗を競う番組、プロの業者がガレージセールなどで掘り出し物を安く購入し、コレクターに数十倍の値段を付けて売る番組などが印象に残っている。

 ヨーロッパには蚤の市が多い。私も何度も足を運んだ。おかげでイギリスをはじめ、フランス、ベルギーなどで買い集めたものが自宅に並んでいる。小遣い程度の範囲で、原則として自分の握りこぶしより大きいものは買わないことにしている。これらの品々を眺めていると当時のことが思い出されて懐かしい。

 一番高価な買い物はエナメル製の絵画(これはこぶし大以上)なのだが、ドイツのクリスマスマーケットの屋台で見かけたものである。現金の持ち合わせがなかったので、売り主の連絡先をもらったらフランスのナンシーとあった。いかにも古風な老人アーティストで電子メールは使わないそうだ。数か月後に手紙を送ったら覚えていてくれた。もっともこれはアンティークではなく、その老人の工房作品である。

 先日、東京ビッグサイトで開催された「骨董ジャンボリー」に出かけてきた。国内最大級の骨董市で数百の業者が店を出している。様々なものが雑多に陳列されているが、比較的質のいいものが多いと思う。最近私は小さな仏像に興味がある。定年後に自分で作ってみたいので、その手本になりそうなものを探している。仏像はコレクターが多いせいか、数多くあるものの、なかなか気に入ったのが見つからない。たまにこれはと思い、値段を見ると驚くほど高いことがある。聞くと鎌倉時代や室町時代の作だという。結局いまだに買いそびれている。

 今回唯一購入したのは、ピクチャーオパールというもので、売っている本人がオーストラリアで採掘してきたのだそうだ。これまたアンティークではない。そういうものがあると初めて知った。見聞が広まって楽しい。

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