C&C振興財団委託調査報告書
「ユビキタス都市II:eガバナンスと都市」
2005年4月〜2006年3月
【執筆・担当者】
木村忠正 (早稲田大学理工学部教授)
原田泉 (国際社会経済研究所 主席研究員)
遊間和子 (国際社会経済研究所 専任研究員)
脱工業化が進展し、流通網、交通網が高度に整備され、ユビキタスネットワークが現実化しつつある高度情報化社会において、「eガバナンス」を考える上で、「都市」の果たす役割がこれまで以上に重要性を増しつつある。情報ネットワークは、都市における人々が集いや活動の集積する形態を大きく変革しつつあり、「eガバナンス」のあり方も様々な形態をとりつつある。本報告書では、イタリア・ボローニャ市のeデモクラシープロジェクト、イタリア・エミリア・ロマーナ州の地域情報化とeガバメントへの取り組み、スペイン・バルセロナ市の、市民が行政の保有している自らの情報にワンストップでアクセス可能とする電子政府ポータルサービス、同じくバルセロナ市の、創造都市を担う人材を育成するためのeラーニングプロジェクト等のヒアリングを行なった。また。他のプロジェクトや文献調査などから、ユビキタス都市および都市におけるeガバナンスが生成・発展していく動因として、1)民間分門でのイノベーションへの強い指向性を特徴とし、創造階級を吸引しようとするシリコンバレー型、2)政府部門の開発主義的産業政策として進めようとするソウル、中国主要都市型とは異なる類型として、3)市民が自らeガバナンス、創造都市を創出することを指向するボローニャ・バルセロナ型が認められた。
