NEC C&C財団委託調査報告書T「SNSによる地域活性化の現状と課題」
2009年4月〜2010年3月
【執筆者】
庄司昌彦(国際大学グローバル・コミュニケー ション・センター主任研究員/講師)
上村圭介(国際大学グローバル・コミュニケー ション・センター主任研究員/准教授)
原田 泉(国際社会経済研究所主席研究員)
遊間和子(国際社会経済研究所主任研究員)
地域社会の活性化や生活利便性の向上等にSNSを活用する取り組みは、国内に400事例以上存在し、2008年現在も増加傾向にある。また、一部ではイベントの開催や地域メディアとの連携等を通じて顕著な成果が見られるようにもなってきているほか、世界規模・全国規模のSNS(mixi、Facebook等)よりも高齢層が多くユーザー層の幅が広いなどの特徴も明らかになってきている。
しかし、それぞれのSNSは参加者数が数百〜数千人規模と少なく、持続的な運営基盤・ビジネスモデルが確立していない等の課題を抱えている。単純なコミュニケーション・サービスを超えて、地域生活のためのサービス基盤化をどのように進めるのか、現実の地域社会とのかかわりをどう深化させていくのかといった模索も続いている。
そこで、国内の先進事例の調査と比較研究、今後の技術・サービスの進展を視野にいれた研究を行い、それぞれの地域社会がより豊かな情報社会を享受するために、「人のつながり(ソーシャル・ネットワーク)」に基づく情報技術・サービスが果たす役割や将来像などをまとめた。研究の成果は、全国の地域SNS運営者・研究者・ユーザーが参加する「地域SNS研究会」や「地域SNS全国フォーラム」、各種メディア等を通じて広く公表・提言し、地方自治体・コミュニティビジネス・非営利組織・エンジニアなどの具体的な取り組みに結び付くようにした。