Please note that JavaScript and style sheet are used in this website,
Due to unadaptability of the style sheet with the browser used in your computer, pages may not look as original.
Even in such a case, however, the contents can be used safely.

IISEシンポジウム「超高齢社会におけるICT活用」

2014年3月19日

 IISEシンポジウム「超超高齢社会におけるICT活用」が3月19日に開催され、会場となったアルカディア市ヶ谷(私学会館)には約80名の参加者にお集まりいただき、盛況のうちに終了いたしました。

ご挨拶する鈴木社長

メディカル・プラットフォーム・エイシア 西山理事長

 弊社社長の鈴木からの挨拶に続き、基調講演には、一般社団法人メディカル・プラットフォーム・エイシア理事長で元厚生労働省健康局長の西山正徳氏にご登壇いただき、「高齢化とICT活用の未来」(西山氏のプレゼン資料はこちらをクリックください) のテーマでお話をしていただきました。
 
 メディカル・プラットフォーム・エイシアでは、医療関係者、特にアジア地域の方々との情報交換を促進するプラットフォームを構築する活動を行う中で、米国サンディエゴに本拠を置くクアルコム社と協働して、岩手県の大槌町・釜石・宮古といった地域において被災地支援を行っていらっしゃいます。被災地では、医療機関・医療人材ともに不足しており、国・自治体の支援がなかなか届かない中、仮設住宅に住む住民の皆さんに対するインターネットを利用した血圧管理により非常に効果を発揮されているそうです。急増する高齢者、特に独居高齢者や認知症となった高齢者の方々への適時適切なサービス提供、医療・介護分野の労働力不足に対応していくためICT活用を進めるともに、国際化対応が求められているとのご講演は、今後の日本にとって非常に重要なご指摘となりました。

会場の聴衆

新見医師会 太田会長

 特別講演といたしましては、新見医師会の太田隆正会長より「新見あんしんネットによる地域医療の推進」(太田氏のプレゼン資料はこちらをクリックください) と題し、新見市で取り組んでいらっしゃいます遠隔医療および多職種連携のモデル事業についてお話いただきました。
 
 住民の高齢化だけでなく、医師・看護師の高齢化も進み、医療資源が枯渇する中で、中山間地域である新見市の医療を少しでもよくできないかといった問題意識を背景に、据え置き型の「万事万端」、携帯型の「医心伝信」というテレビ電話システムを利用した遠隔医療への取り組みをスタートさせていらっしゃいます。医師法20条の問題などもあり、なかなか実用化が進まなかった遠隔医療システムですが、日本の中でも非常に早い時期から取り組まれてきたご経験からの、県や市町村との連携の必要性や都会と過疎地域の医療・介護施策は同じであってはいけないといったご指摘は非常に説得力があるものでした。

東京大学高齢社会総合研究機構 矢冨特任研究員

国際社会経済研究所 遊間主任研究員

 日本における先進事例としては、「高齢者の就労が生み出す社会的価値-柏市におけるいきがい就労モデル」(矢冨氏のプレゼン資料はこちらをクリックください)と題して、東京大学高齢社会総合研究機構特任研究員の矢冨直美氏よりご講演いただきました。

 団塊世代が定年退職の時期を迎えていますが、地域に戻ってきた団塊世代の多くは地域とのつながりが薄く、「やることがない」「行くところがない」「会いたい人がいない」という状態に陥りがちです。一方、多くの高齢者はリタイア後も働きたいと考えており、地域での仕事のワークシェアリングが80歳まで働ける環境をつくることにつながり、生きがいを重視したゆるい働き方「プチタイム」を推奨されています。

 柏市と共催で開催した就労セミナーでは500名もの参加者が集まり、2014年1月現在で61~80歳の176名がプチタイム就労されているそうで、高齢者の就労における新しいモデルを示していただけました。)として欧州におけるeHealthの先進事例を報告させていただきました。

 海外における動向については、弊社主任研究員の遊間和子より「欧州における医療・健康・介護分野のICT活用」(遊間のプレゼン資料はこちらをクリックください)として欧州におけるeHealthの先進事例を報告させていただきました。

 遠隔医療・遠隔介護の推進では、産官による遠隔医療・遠隔介護の推進「3 million Livesプロジェクト」(英国)、協同組合方式で地域のeHealthを推進するSlimmer Leven 2020 cooperative(オランダ)、遠隔医療を推進するドイツ遠隔医療協会DGTelemedの事例を紹介しました。健康・医療・介護の情報連携の強化では、終末期の希望を関係機関で情報共有するシステムIntelesant社「ELMA」(英国)、複数のバイオバンク間での連携を実現するBioSHaREプロジェクト(EU)、ICT活用により高品質な訪問看護・介護を低コストで可能にするeCARE社(オランダ)、電子保険証eGKの推進役となるGematik社(ドイツ)を、アクティブシニアの社会参加の支援として、インフォーマルケアにおけるICT活用を進めるDigitale Steden Agenda(オランダ)について紹介しました。

 欧州においては、健康・医療・介護の分野間、医療・介護提供組織・自治体等の組織間、フォーマルケア・インフォーマルケアのサービス間、アナログ(人によるサービス)・デジタル(ICTシステムやツール)間などを「Integration(統合化)」していく動きが強まっており、患者・利用者を中心として、提供されるサービスがシームレスに統合化していくことが重要との指摘がされました。

東洋大学経済学部 山田教授

左:朝日新聞アピタル 平子編集長、中央:NPO法人シニアSOHO普及サロン・三鷹 堀池顧問、右:株式会社ユーディット 榊原取締役主任研究員

 パネルディスカッションでは、東洋大学経済学部の山田肇教授にコーディネーターをお願いし、西山理事長、太田会長、平子義紀 朝日新聞アピタル(Apital)編集長、堀池喜一郎 NPO法人シニアSOHO普及サロン・三鷹顧問、榊原直樹 株式会社ユーディット取締役主任研究員にご登壇いただき、超高齢社会におけるICT活用について、弊社アクセシビリティ研究会による2013年度調査研究報告書の提言(山田氏のプレゼン資料はこちらをクリックください)に基づきご議論いただきました。

 提言では、マイナンバーを利用した情報連携、情報連携を阻む制度の改革、二次利用促進と国民の協力、住み慣れた家で長く過ごすシステム・サービスの提供、アクティブシニアが活躍できる環境、アジア諸国への展開の6項目が掲げられていましたが、特に、マイナンバーの活用と医療等のセンシティブ情報における個人情報保護と匿名化データの二次利用をどのように進めるべきかについて時間を割き、政治的決断の重要性なども含め、議論を深めました。最後に、山田先生より、高齢者に明るい未来を与え、若者が世界を相手に積極的に戦うのに役立つ「将来の社会像」というものを、国民の中で合意形成していくことの必要性が指摘され、パネルディスカッションを終了いたしました。


スピーカーとプログラム

13:30 ご挨拶 鈴木 均  株式会社国際社会経済研究所代表取締役社長
13:35 基調講演「高齢化とICT活用の未来」 西山 正徳 一般社団法人メディカル・プラットフォーム・エイシア理事長(元厚生労働省健康局長)
14:10 特別講演「新見あんしんネットによる地域医療の推進」 太田 隆正 新見医師会会長
14:45 事例紹介①「高齢者の就労が生み出す社会的価値-柏市におけるいきがい就労モデル」 矢冨 直美 東京大学高齢社会総合研究機構特任研究員
15:05 事例紹介②「欧州における利用・健康・介護分野のICT活用」 遊間 和子 株式会社国際社会経済研究所主任研究員
15:25 休憩 15分  
15:40 パネルディスカッション「超高齢社会におけるICT活用」 コーディネーター:
山田 肇  東洋大学経済学部教授
パネリスト:
西山 正徳 一般社団法人メディカル・プラットフォーム・エイシア理事長(元厚生労働省健康局長)
太田 隆正 新見医師会会長
平子 義紀 朝日新聞アピタル(Apital)編集長
堀池喜一郎 NPO法人シニアSOHO普及サロン・三鷹顧問
榊原 直樹 株式会社ユーディット取締役主任研究員
16:50 「まとめと提言」 山田 肇  東洋大学経済学部教授/アクセシビリティ研究会主査
17:00 閉会