報告書「グローバル都市の危機管理とIT」
【執筆・担当者】
山内康英(多摩大学情報社会学研究所教授)
楊 明傑(中国現代国際関係研究院)
張 力 (中国現代国際関係研究院)
原田 泉(国際社会経済研究所主席研究員)
北京、上海、東京、ニューヨークといったグローバル都市は、金融、旅客や移民、物流などについて、グローバルなネットワークの一部として、国際社会と国内の社会、経済との結節点として機能するようになっている。また21世紀に入り、インターネットや携帯電話の普及は急速に進展し、そこでの通信技術進歩も目覚しいものがある。このような状況下グローバリゼーションの進展と情報通信技術の発展・普及は、人間、物資、金融、情報などの生産要素の移動に大きな変化をもたらすと同時に、グローバル都市の都市空間にこれまでにない形で「情報」という要素を加えている。
一方、グローバルなネットワークと結びついたRFID(Radio Frequency Identification)やICタグは、2000年以降出現し、今後、人や物流の管理に大きな変化をもたらすと予測される技術である。RFIDやICタグは、生産、物流、商流といった物資の移動を統合的に管理する一方で、バイオメトリクスや電子パスポートなどの監視技術を結びついて、さまざまな「場」での人の動きを管理することになるかもしれない。
以上のような情報技術発展を考えると、人は、都市空間のそれぞれの「場」で、必要なときに必要な「情報」を自由に取り出せるし、また一方、その「場」の管理者は、その場にいる人のさまざまな「情報」を得ることができるようになるのである。
本調査研究では、情報技術の進展をもとに、その社会的影響や都市空間の今後のあり方に関し、危機管理の面から調査分析を日本と中国共同で行い、それぞれの国での新しい都市構築と情報化促進について考察した。
