報告書「国家情報システム調査(国民ID)に関する調査研究−スリランカ・カンボジアにおけるIDカードの状況−」
2010年4月〜2010年9月
【執筆者】
原田 泉(国際社会経済研究所 研究主幹)
遊間 和子(国際社会経済研究所 主任研究員)
我が国において、国民ID導入への動きが大きくなってきている。導入にあたっては、欧州の国々で次々と実現しているeIDプロジェクトをベンチマークすることで、日本における国民ID導入へのよりよい方策を考えてきたが、一方、アジア地域でも国民IDに関する動きが早くなってきている。本調査研究では、情報化では遅れを取っている国々において実施されている紙製やプラスチック製のアナログのIDカード普及の現状とIDカードの電子化について、スリランカ、カンボジアの2カ国で現地調査をおこなった。両国では、アナログのIDカードの普及率は9割を超えており、両国とも次の選挙の際の有権者登録開始までには推し進めたいという考えをもっている。行政の基幹ネットワークの構築は完了しているため、2、3年のうちにはIDカードの電子化も完了する可能性も高い。本報告書では、これらの現地調査をもとに、アジア地域におけるIDカード電子化の今後について考察を行った。