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欧米におけるカメラ・顔認識サービスと規制動向
主幹研究員 小泉雄介
2019年10月29日、データ流通推進協議会のデータ倫理プライバシー研究WGにおいて、当社主幹研究員の小泉雄介が「欧米におけるカメラ・顔認識サービスと規制動向」のタイトルで講演を行いました。
近年の顔認識技術の精度向上により、空港、小売店、ホテル、交通機関、オフィスなど、様々な場面で個人を識別するために顔認識技術を利用する事例が増えてきています。スマホやPCのログイン、空港での入出国管理、テーマパークの入場管理など、本人の同意の下で個人認証(本人確認)の目的で行われる顔認識サービス(いわゆる顔認証:Facial Authentication)(多くは1-to-1)に対しては、懸念する声はそれほど大きくありません。また、警察機関が容疑者の顔写真と犯罪者データベース等の顔画像を捜査目的で照合する顔照合(Facial Matching)(1-to-many)に対しても同様です。しかし、公道や店舗などで(本人同意なく)不特定多数の人々を対象に行われる顔認識、とりわけリアルタイムで個人を識別する自動顔照合(Automated Facial Recognition: AFR)(many-to-manyまたはmany-to-1)についてはプライバシー等の問題が指摘され、欧米で同時並行的に規制化の動きが進んでいます。EDPB(欧州データ保護会議)からはGDPR(EU一般データ保護規則)のガイドラインの1つとして、「ビデオ機器を通じた個人データ処理に関するガイドライン」案が公表されています。産業界としては引き続き、欧米の規制動向を注視する必要があります。