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超スマート社会の実現に向けた地方都市の課題と対策に関する調査研究

2017年4月~2018年3月

【執筆・担当者】
加藤竹彦(国際社会経済研究所 主幹研究員)

   国土交通省によれば 人口30万人以上の都市圏(マーケット)を形成しなければ大学、救急医療施設、大規模娯楽施設などの高度都市機能を維持できないと算出している。現在、全国に100か所ほど点在する人口10-20万人規模の地方都市は、少子高齢化の進展や大都市の人口集中により、そのマーケットサイズや都市機能の維持が深刻化している。その対策として、政府は都市のコンパクト化とネットワーク化を推進し、一部の地方都市は国の支援を受けながらICT活用やスマートシティ化によって行政サービスの効率化や地域振興に結び付けると同時に、広域連携によってエリア内の商圏形成、地域防災やエネルギーマネジメントの共有化を図ろうとしている。

 本調査研究では、我が国の地方都市が抱える課題をIoTやスマートシティの推進で解決を試みている国内外の事例を紹介し、都市の持続可能性や競争力の向上について考察している。また、欧州でスマートシティの情報基盤として開発されたFIWAREの動向や、FIWARE上で開発されたスマートシティ関連アプリケーションの紹介を行っている。

 中間報告では国内地方都市の置かれている現状、政府(国土交通省、総務省、経済産業省)によるモデル都市化や支援制度等の要約、地方都市のICT活用事例(藤枝市、岩見沢市、取手市、島根県)の紹介を行った。最終報告ではスマートシティの動向をメインテーマとし、現状と市場規模、スマートシティ事例として国内3地方都市(弘前市、横須賀市、帯広市)、欧州4都市(ヘルシンキ、ブリュッセル、エスポー、タンペレ)、米国2都市(シカゴ、コロンバス)を紹介、それをもとに日欧米の比較を試みた。