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AI等先端技術を用いたパブリックセーフティに関する調査研究

2018年4月~2019年3月

【執筆・担当者】
小林 憲司(国際社会経済研究所

   本調査研究では、3つの先端技術「AI」、「IoT」、「ブロックチェーン」について、パブリックセーフティに代表されるミッションクリティカルな分野での先進的な利用事例を調査し、社会実装と産業化におけるポイントと課題を考察した。

   AIのモデル開発では、継続した学習システムの構築(モデルの定期更新)が重要になり、「理論的な洞察力を持ったAI人材」、「データアクセス環境」、「ドメインの専門家とのハイレベルな信頼関係」の3つ全てが必要になる。特に、データアクセス環境は、プライバシーへの配慮といかに正しいデータを必要な時に得られるかが最大の課題となる。社会実装にあたっては、公的機関によるガイドラインや認証制度が必要であり、実装後も、導入効果を再検証する仕組みが必要とされる。

   IoTは、概念実証で終わるケースが多く、コネクティビティと導入コストの課題によりスケールアップが難しい事がある。リアルタイム制御のニーズは高まっているが、通信がボトルネックとなっていることもある。調査研究の一環とし、北米のスマートシティプロジェクトについて事例調査を実施している。

   ブロックチェーンに関しては、災害時のリソース管理、本人認証、保険支払など仮想通貨以外のユースケースが増えているが、まだ技術的な課題は多い。

   以上の結果から、IT企業のビジネスチャンスとして、以下の5点に整理した。

AIシステムの開発から実際の運用保守までの自動化/省人化

・サイロ化しているデータベース(情報システム)の統合化と運用管理

・高速な計算と通信を実現するハードウエア環境の整備

・高度なセキュリティ対策(システムの複雑化、オープンソースの増加、サイバー攻撃)

・予測分析から支援や介入まで含めた長期的なサービス化(As a service)。