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監視社会とプライバシー:リトルブラザーの共存する世界へ

主幹研究員 小泉雄介

『日本セキュリティ・マネジメント学会誌 Vol.32, No.2』(2018年9月号)に、当社主幹研究員小泉雄介の研究ノート「監視社会とプライバシー:リトルブラザーの共存する世界へ」が掲載されました。監視の主体は従来、行政機関が中心でしたが、インターネットが普及した1990年代以降はインターネット企業など民間企業が国境を越えて大量の個人情報を取得するようになっています。現代社会では、携帯電話による位置情報取得、店舗カメラでの顔認識、ICカードによる購買・乗降履歴の把握、ウェアラブル端末による健康情報の取得など、リアルな世界で個人情報を取得する技術・機器が日常生活に深く入り込んでおり、こうした情報技術の進展により、監視社会化にますます拍車が掛かっています。中南米やアフリカ等の途上国では、経済成長の前提条件として治安対策が重視されているため、これらの情報技術・機器の導入を通じた行政による監視の強化は止むを得ない面があります。しかし治安対策の必要性が相対的に低い先進国においては、行き過ぎた監視社会化と、それによる個人の自由・権利の侵害に対して、一定の歯止めがかけられなければならないと考えます。そのためには、監視技術を用いたあらゆるシステムにおいて、1つの場における単一視点(パノプティコン)の占拠を許さず、複数視点の共存を可能とするような制度設計が必要です。すなわち、市民・消費者の個人データを大量に取得する官・民のリトルブラザーを阻止することはもはや不可能ですが、個人が複数のリトルブラザーを自由に選択できるように、またリトルブラザーのビッグブラザー化を阻止できるように、制度的・技術的な担保を行うことが重要となります。

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