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ケアプランの作成支援でのAI学習が難しいテキスト記述データの構造化等に関する調査研究

令和元年度 厚生労働省老人保健事業推進費等補助金(老人保健健康増進等事業)

2019年6月~2020年3月

   本調査研究は、平成29 年度、平成30 年度の老人保健健康増進等事業(老人保健事業推進費等補助金)で実施した調査研究の継続的な位置づけとなっており、ケアマネジメントに伴い発生するデータを人工知能AI 分析で利用できるデータにいかに変換していくかについて取り組んだ。

   ケアプラン2 表に記載される利用者のニーズや目標、サービス内容はテキストで記述されているため、この内容をAI に学習させるには非常に困難を伴う。しかし、このようなAI 学習しにくいデータにこそ重要な内容が含まれており、AI が学習すべきデータであるともいえる。テキスト分析技術を活用し、課題(ニーズ)、長期目標、短期目標、サービス内容について構造化・体系化を行い、これらの構造化されたデータを利用して、ニーズ→長期目標→短期目標→サービス内容というケアマネジメントの流れに沿ったAI分析の試行も行ってきた。

 また、構造化・体系化したテキストデータをAIに学習させ、さらなる実用化を進めるに、ケアプランAIのアルゴリズムに、ケアマネジャーの専門職の知見・経験値をいかに反映するかの検討も進めた。看護師、社会福祉士、作業療法士といった保有資格の異なるケアマネジャーで構成されるワーキンググループを新たに立ち上げ、アセスメント結果から得られる非常に多くの情報から、どのようにして、ケアプランに記述する内容へと落とし込んでいるかといった「ケアマネジャーの思考の見える化」にも取り組み、ナレッジベースとしてのAIの精度向上の可能性についても、報告書をとりまとめた。