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ホワイトボックス型AI を活用したケアプランの社会実装に係る調査研究
令和2年度 厚生労働省老人保健事業推進費等補助金(老人保健健康増進等事業)2020年6月~2021年3月
弊社では、老人保健健康増進等事業(老人保健事業推進費等補助金)において、平成29 年度から令和元年(フェーズ1)にかけてケアプラン作成支援AIに係る調査研究を実施し、その効果と課題について整理してきた。フェーズ1での成果を活かし、令和2年度からは、今後3年間をフェーズ2と位置づけ、社会実装へつなげるための調査研究として継続して取り組んでいる。
フェーズ2の初年度となる令和2年度は、居宅介護支援事業所に加えて、2 つの自治体の協力も得て、以下の実証研究を実施した。
実証A では、昨年度から始めたケアマネジャーの思考の見える化に引き続き取り組み、心疾患の利用者を想定した単線的モデルを複線的モデルに深化させた。
実証B では、構造化・体系化ラベルを適切なケアマネジメントの標準化項目によるチェックでブラッシュアップすることに取り組んだ。
実証Cでは、ケアマネジャーにケアマネジメント標準化手法(心疾患)を学んでもらうオンライン研修会を自治体と共同で開催した。研修では、講師からの座学に加え、自身が作成したケアプラン2を演習の中で見直してもらい、その気づきの内容をデータ化した。ケアプランにどのようなケアが頻出しているか、不足しがちなケアはなにかといったことが明らかになることで、ケアプラン作成支援AI におけるケア項目の優先順位などのルール策定のエビデンスを得ることにもつなげていく。
実証Dでは、ケアプラン作成支援のAI において、利用者の状態変化(アウトカム指標)をどのように捉えるかを再検討するために、アセスメント項目(全社協方式)と、その他の客観的な評価尺度との比較を文献調査で行った。
実証E のAI 分析においては、モニタリングシートの主観的な評価を優先して状態変化を捉える分析を行った。また、インプットデータにおけるデータクレンジングをフェーズ1 で実施していた方法から変更し、解釈性が高まるように工夫した。
これらの実証検証により、どのようにすればアルゴリズムの精度を向上させ、ケアプラン作成支援AIの実現性を高めていくことができるかについて引き続き、検討を行っていく。