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AI推進およびプライバシーを巡る社会課題と政策動向に関する調査研究

2025年6月~2026年3月

【執筆・担当者】
小泉 雄介(国際社会経済研究所 主幹研究員)

 EU等の諸外国におけるAI関連法令やG7広島AIプロセスなどの国際情勢を受けて、わが国でもイノベーション推進とリスク対応の2本柱から成るAI推進法が公布された。AIの推進面については、米国や英国では政権交代によりAIの安全性よりも産業発展を重視する立場に舵を切り、EUでもドラギ報告書の提言に基づきAI開発・利用(開発拠点/ソブリンクラウド、データスペース、戦略分野での導入)への投資を増やしたりAI法の適用の簡素化が予定されている。日本でも各分野で蓄積された高品質なデータを活用したAI開発・利用が期待されている。AIのリスク面については、バイアスの含まれる出力結果、巧妙な偽情報の作成や民主主義プロセスへの介入・操作、行政手続等での不透明な自動意思決定などが既に顕在化しているが、米国ビッグテックが開発を急ぐAGI(汎用人工知能)や人間の知能を超えるASIがもたらしうるリスク(サイバー攻撃、CBRNリスク、有害な操作、制御喪失リスク等)、特にAIの制御喪失リスクについては国際AI安全性レポート等で海外の多くのAI研究者が警鐘を鳴らしている。AI推進とリスクの両面が関わる1つのトピックとしてAIによる労働力の代替があるが、AIによって生産性が向上し労働時間の減少/余暇時間の増加による経済効果が期待される反面、AIに重要な機能を委ねて人間の介入が減れば減るほど制御喪失のリスクが高まるというジレンマがある。

 また、AI開発や利活用において個人データの取扱いは重要な論点である。今般の個人情報保護法改正では、AI開発時に学習データとして利用する個人データの取扱いの規制緩和、および顔認識システム等で利用する顔特徴データの取扱いの規制強化が予定されている。EUでもデジタル・オムニバス規則案においてAI開発促進を含むGDPR改正案が提案されている。

本調査研究では上記のテーマについて文献調査および分析を行い、社内外に対する情報発信や提言を行った。

 

 ◆IISE調査研究レポート「米国AI行動計画と日米欧AI政策比較」はこちら⇒(PDF

 ◆IISE調査研究レポート「EUのデジタル・オムニバス規則案におけるGDPR改正とAI開発の促進」はこちら⇒(PDF

 ◆IISE調査研究レポート「AI推進法とAI事業者ガイドラインの補完関係の明確化」はこちら⇒(PDF