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GXに関する政策市場動向とICTビジネスへの影響に関する調査研究
2025年6月~2026年3月
【執筆・担当者】
藤平 慶太(国際社会経済研究所 主任研究員)
世界でのGXに関する政策・市場の急速な変化への対応は、ICT企業の戦略に対して影響を及ぼす最重要課題の一つとなっている。
2025年前半は、国内外で環境政策の大きな方向性が決まった年であった。日本では2025年2月に「第7次エネルギー基本計画」「GX2040ビジョン」「NDC(Nationally Determined Contribution)」が一体となって策定され、2040年に至るまでの中期で環境関連産業の予見性を高める方針が示された。日本国内ではAIの拡大による電力需要増加に対応するため、脱炭素電源地域にデータセンターを誘致するワット・ビット連携の議論が進んでおり、ICT企業の立地戦略に影響を与える。2026年度のGX-ETSによる排出量取引の義務化は、カーボン・クレジット市場を活性化させる。2040年をマイルストーンとしてGX関連市場は産業政策としての重要性を増しており、GXへの対応は国内企業の事業戦略の主要な柱となっている。
一方で海外では、2024年の欧州議会選挙や米国大統領選の影響で、環境政策は揺り戻しの段階に入っており、予見可能性が低下する事態に陥っている。日本企業は国内外の環境政策や市場の動向の変化を見ながら、自社の環境対応やビジネスチャンスを見極める必要がある。欧州でのグリーン関連政策は、「産業競争力強化」に軸足を移しており、規制対応を事業機会とみているICT企業の開発動向に影響を与える可能性がある。さらに、第2次トランプ政権の誕生は、世界が協調して進めてきた気候変動対策の動きを不安定化させ、世界の環境関連市場の勢いを削ぐ可能性がある。これら国際社会の動向は、日本企業も注視する必要がある。
本調査研究では、GX関連の政策/市場動向の変化によるICTビジネスへの影響について検証した。この影響に対応してICT企業や日本企業が取るべき方策について提示した。