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IISEシンポジウム「ヘルスケア分野のICT活用が可能にするQOL・QOD向上」
2019年4月23日
弊社アクセシビリティ研究会の成果を含めて、広く情報発信する場となっておりますIISEシンポジウム「ヘルスケア分野のICT活用が可能にするQOL・QOD向上」を開催いたしました。会場となった大手町ファーストスクエアカンファレンスには、120名を超える参加者が集まり、盛況のうちに終了となりました。
弊社石黒理事長のご挨拶に続き、基調講演として、厚生労働省 大臣官房厚生科学課長の浅沼一成氏から「保健医療分野におけるAI技術の方向性」(浅沼氏のプレゼン資料はこちらをクリックください)と題し、政府におけるAI戦略の経緯から、現在も検討が続いている「保健医療分野AI開発加速コンソーシアム」での議論についてお話しいただきました。この分野でのAI活用を進めていくには、既存の規制とどのように融和させていくかが重要であるとのご指摘は、社会実装フェーズを見据えた加速化の大きなポイントでありました。


厚生労働省 大臣官房 浅沼厚生科学課長
講演Ⅰでは、大阪大学歯学部附属病院医療情報室副室長・病院准教授の野﨑一徳氏より「ソーシャル・スマートデンタルホスピタルにおける取り組み」(野崎氏のプレゼン資料はこちらをクリックください)と題し、大阪大学歯学部附属病院、大阪大学サイバーメディアセンター、NECシステムプラットフォーム研究所の三者が中心となり2018年3月にスタートした産学連携プロジェクトでの取り組みについてご報告いただいきました。AIにより歯を失うメカニズムを分析することで、予測シミュレーションが可能となる研究や、歯周病を判定できるアプリの開発など、私たちの生活の質QOLに直結する研究に期待が高まりました。また、大学という研究機関でのプロジェクトにも関わらず、コストパフォーマンスも追及しており、社会実装フェーズを見据えた研究の重要性についても言及いただきました。
講演Ⅱでは、株式会社PREVENT代表取締役の萩原悠太氏より「デジタルヘルスを活用した生活習慣病の重症化予防」(萩原氏のプレゼン資料はこちらをクリックください)と題し、糖尿病のハイリスク層に対し、AIによるデータ分析やセンサーやアプリを活用した個別指導により重症化を予防していくサービスについてお話しいただきました。健保組合や生命保険会社から利用料をいただき、従業員や保険契約者に対して指導プログラムを行うB to B to C (E)モデルにより、医療費適正化や従業員の健康改善に貢献するというビジネスモデルの確立とエビデンスを重視したアプローチは新しいヘルスケアビジネスのあり方を実感するものでした。

大阪大学歯学部附属病院 野崎医療情報室副室長

株式会社PREVENT 萩原社長
弊社主幹研究員の遊間和子からは、海外事例として「英国で進む終末期ケアにおける電子的情報共有EpaCCs」(遊間のプレゼン資料はこちらをクリックください)が報告されました。英国では、多職種連携が必要なる終末期ケアにおいて、患者の希望を関係者間で情報共有し、本人・家族とのコンセンサスを促進する情報システムEpaCCsにより患者が希望の死を迎えられることを実現してきている。日本おいても、ACPやリビングウィルなど、終末期における医療・介護の在り方の重要性への認識が高まっており、政府が推進する次世代型保健医療システムの設計にこのようなQODの視点を導入することの重要性が指摘されました。

パネルディスカッションの様子1

ケアプロ株式会社 川添社長
パネルディスカッションでは、冒頭に、コーディネータ役を務める東洋大学名誉教授の山田肇氏(山田氏のプレゼン資料はこちらをクリックください)から、生活の質QOLとコストの関係を示すグラフの説明のあと、ケアプロ株式会社代表取締役社長の川添高志氏から「介護期における訪問看護師の役割とQOL」(川添氏のプレゼン資料はこちらをクリックくださいについて、横須賀市福祉部福祉専門官の北見万幸氏からは「行政による終活支援の必要性」(北見氏のプレゼン資料はこちらをクリックください)について話題提供をいただきました。

横須賀市 北見福祉専門官

パネルディスカッションの様子2
その後、基調講演にご登壇いただいたお二方に、株式会社地域経営プラチナ研究所代表取締役(前 松本ヘルス・ラボ副理事長)の平尾勇氏にも加っていただき、「ICTが可能にするQOLからQODへのシームレスな対応」をテーマにご議論いただきました。
ICTを活用することで、個別化したケア提供や関係者間の情報共有等が可能となりQOL・QODの向上につながることは明らかであり、持続可能な医療・介護のためには、コストセービングまでとはいかずとも、コストエフェクティブであることを「見える化」するためにもICTが貢献できるのではないかということが示されました。また、センシティブな情報であるが故に、個人情報保護とデータ活用が二律背反として捉えられることが多いが、「個人情報の保護」ではなく、「個人の保護」のためには、きちんと活用できるプラットフォームが必要であることについても言及されました。
スピーカーとプログラム
14:00 | ご挨拶 | 株式会社国際社会経済研究所理事長 石黒 憲彦 |
14:05 | 基調講演 「保健医療分野におけるAI技術の方向性」 |
浅沼 一成 厚生労働省 大臣官房厚生科学課長 |
14:30 | 講演Ⅰ 「ソーシャル・スマートデンタルホスピタルにおける取り組み」 |
野﨑 一徳 大阪大学歯学部附属病院医療情報室副室長・病院准教授 |
15:10 | 講演Ⅱ 「デジタルヘルスを活用した生活習慣病の重症化予防」 |
萩原 悠太 株式会社PREVENT代表取締役 |
15:50 | 海外事例報告 「英国で進む終末期ケアにおける電子的情報共有EpaCCs」 |
遊間 和子 株式会社国際社会経済研究所主幹研究員 |
(休憩10分) | ||
16:20 | パネルディスカッション 「ICTが可能にするQOLからQODへのシームレスな対応」 |
コーディネーター: 山田 肇 東洋大学名誉教授/アクセシビリティ研究会主査 パネリスト(五十音順): 川添 高志 ケアプロ株式会社代表取締役社長 北見 万幸 横須賀市 福祉専門官 野﨑 一徳 大阪大学歯学部附属病院 医療情報室副室長・病院准教授 萩原 悠太 株式会社PREVENT代表取締役 平尾 勇 株式会社地域経営プラチナ研究所代表取締役(前 松本ヘルス・ラボ副理事長) |
17:25 | 閉会 | 株式会社国際社会経済研究所代表取締役社長 民長 憲生 |