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より良い将来に向けた都市経営に関する調査研究

2022年4月~2023年3月

【執筆・担当者】
畔見 昌幸(国際社会経済研究所 主任研究員)

  我が国の人口は既に純減するフェーズに入り、今後数十年に渡って人口減少と少子高齢化が進展することが確実になっている。また、今後はかつての高度成長期のような爆発的な経済成長はなかなか困難であろう。こうした社会経済状況の下、私たちが住まう個別単位としての都市自治体にも少子高齢化だけではない幾つもの課題が山積し、また迫っている。都市自治体は私たちが否応なく必ず何れかに所属することになるが、その都市自治体の役割とは、そうした我々住民の福祉の最大化を行う必要があり責務でもあり、かかるサービスは経済成長の速度が鈍化し厳しい行財政事情の中でも持続的に行うことが必要である。

   そこで本調査研究では「より良い将来に向けた都市経営」をテーマに据えて調査研究を実施した。上期においては、都市を巡る諸課題の概観に始まり、そもそも都市経営とは何を指し示しているかを歳出歳入の現状や都市経営の考え方等から考察した。さらに、持続的な都市経営を実現するためのあくまでも一つの解としてではあるが、都市経営の方向性として住民を集中させるコンパクトシティに関してデメリットを含めた効果等を検証、データや実例を活用しつつその現状や国の政策を調査した。下期では、都市自治体における住民にフォーカスし、彼らの意識に基づく要望や当該要望の行政当局への意向等についてIT/情報通信技術が果たせるであろう分野の考察に加え、都市自治体行政当局が行う都市経営にあって重要な役割を果たす地場企業の位置づけをアントレプレナー及び既存地場の特に中小企業を中心に調査、さらに、かかる都市経営を客観的に把握する必要性から、その評価について都市評価の指標の調査を実施した。

   こうした調査研究から、環境、宇宙、ITコンサルティングという縦軸のソリューション群をAIやIT・情報通信技術という横軸での技術で実現・展開しているNECは、社会的企業として、かかる各都市自治体が取り組まなければならない都市経営及びその課題解決において大きなサポートを行う必要性及びその可能性について提言した。