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サイバー攻撃とその国際関係への影響に関する調査研究
2017年4月~2018年3月
【執筆・担当者】
張 力(中国現代国際関係研究院 情報・社会発展研究所所長)
唐 嵐(中国現代国際関係研究院 情報・社会発展研究所副所長)
土屋 大洋(慶應義塾大学 グローバルリサーチインスティテュートKGRI副所長)
原田 泉(国際社会経済研究所 主幹研究員)
近年、サイバーセキュリティは、サイバー攻撃の可能性を懸念する段階から、社会機能の喪失につながる攻撃の予防と対処の段階と進化している。特に今後IoTが進展しあらゆる物がネットでつながる社会になると、これまで以上にサイバー攻撃の脅威が社会にとって飛躍的に拡大していくと考えられる。このような状況下、スノーデン事件以降、米国によるインターネット管理が衰退する中、中国が米国との協調を主張しそこでの存在感を増している。一方、トランプ米新政権はロシアのサイバー攻撃がその誕生にかかわったとの報道もあり、今後の米国サイバーセキュリティ政策が注目されている。
上記のようにサイバー攻撃が国際関係に大きな影響を与える状況を鑑み、本年度の調査研究では、サイバーセキュリティの最新現状を調査するとともに、その及ぼす国際関係について調査し、サイバー空間での国家関係のあり方への考察を深めた。調査に当たっては引き続き中国現代国際関係研究院ならびに慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート(KGRI)にご参加いただき、広い視野での調査とし、中国現代国際関係研究院長助理 情報・社会発展研究所所長 張 力氏には「現在の国際サイバーセキュリティ情勢と中国の政策努力」を、同・社会発展研究所副所長 唐嵐氏には「WannaCry事件からみるサイバー空間における国際ルールの苦境と思考」を、慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート(KGRI)の土屋大洋氏、菊地映輝氏、小宮山功一朗氏には「米国新政権によるサイバーセキュリティ環境の変化と対応」を、加えて、弊研究所主幹研究員の原田泉が「IoT-AIネットワーク時代におけるサイバー攻撃の現状と日本の対応」を執筆した。
また、2017年8月29日には北京の現代国際関係研究院で執筆者による中間検討会を行い、2018年4月13日には最終検討会として東京でIISE/CICIRサイバーセキュリティ共同研究シンポジウムを開催し、情報発信を行った。