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IISEシンポジウム「AI・IoT活用とヘルスケア分野のイノベーション」

2018年3月26日

 2017年度のIISEシンポジウムは、場所をあらたに丸ビルホール&コンファレンススクエアに移し、「AI・IoT活用とヘルスケア分野のイノベーション」と題して開催いたしました。

ご挨拶する石黒理事長
ご挨拶する石黒理事長
会場の様子
会場の様子

 弊社石黒理事長のご挨拶のあと、シンポジウムは、内閣官房 健康・医療戦略室 企画官の堀内直哉氏の基調講演からスタートし、「次世代医療基盤法と医療ICTの未来」(堀内氏のプレゼン資料はこちらをクリックください)と題し、次世代医療基盤法を中心に、利活用可能な医療情報が質的・量的に充実することにより、産学官による利活用がさらに加速・高度化する好循環を実現していく未来についてお話いただきました。

 特別講演では、佐賀大学メディカル・イノベーション研究所所長の末岡榮三朗氏より「AIIoT等を活用した健康・医療・介護分野のイノベーション」(末岡氏のプレゼン資料はこちらをクリックください)と題し、昨年10月に佐賀大学と株式会社オプティムとで立ち上げた佐賀大学メディカル・イノベーション研究所におけるIoTAI等を活用した未来型医療への取り組みについてご報告いただきました。眼底画像解析AIによる緑内障診断支援やドクターカー・ドクターヘリにおけるウェアラブル機器を用いたリアルタイム状況共有システムなど新しい取り組みは大変興味深い内容でした。新しい技術による大きな未来が期待できる一方で、質のよいデータを正しいモデルで分析することの重要性についても問題提起いただきました。

内閣官房 健康・医療戦略室 堀内企画官
内閣官房 健康・医療戦略室 堀内企画官
佐賀大学メディカル・イノベーション研究所 末岡所長
佐賀大学メディカル・イノベーション研究所 末岡所長

 弊社主幹研究員の遊間和子からは、海外事例として「フィンランドで進むヘルスケア分野のIoT ・AI等の活用」(遊間のプレゼン資料はこちらをクリックください)が報告されました。2020年に向けて医療と社会福祉サービスを統合する社会保障改革SOTEを進めるフィンランドにとって、ヘルスケア分野におけるIoT ・AI等の最先端技術は非常に重要なツールであり、同時に、最大の輸出産業であるハイテク産業の次の柱となっています。Slushなどによってヘルスケア分野のスタートアップ企業を育成し、豊富なヘルスケアデータをオープンにすることで海外企業を誘致することでエコシステムが構築され、イノベーションにつなげているという指摘がされました。

国際社会経済研究所 遊間
国際社会経済研究所 遊間
神奈川県顧問・鎌倉市政策創造専門委員 根本氏
神奈川県顧問・鎌倉市政策創造専門委員 根本氏

 パネルディスカッションでは、冒頭に、ケアプロ株式会社代表取締役社長の川添高志氏(川添氏のプレゼン資料はこちらをクリックください)、神奈川県ヘルスケアニューフロンティア本部顧問(元神奈川県CIO・知事補佐)で鎌倉市の政策創造専門委員も務める株式会社未来戦略研究所代表取締役の根本昌彦氏(根本氏のプレゼン資料はこちらをクリックください)、前 松本ヘルス・ラボ副理事長で株式会社地域経営プラチナ研究所代表取締役の平尾勇氏(平尾氏のプレゼン資料はこちらをクリックください)から話題提供をいただきました。

ケアプロ株式会社 川添社長
ケアプロ社長 川添社長
地域経営プラチナ研究所 平尾代表取締役
地域経営プラチナ研究所 平尾代表取締役

 その後、東洋大学名誉教授の山田肇先生にコーディネーターをお願いし、佐賀大学メディカル・イノベーション研究所 末岡所長にも加わっていただき、ヘルスケア分野におけるイノベーションとICTの役割についてご議論いただきました。医療では、EBM(Evidence Based Medicine)と言われる根拠に基づく医療が求められるようになってきていますが、健康や介護も含めたヘルスケアを考えた場合、政策としての取り組みが必要であり、EBPM(Evidence Based Policy Making)の考え方も重要となってきています。ヘルスケアデータの活用において官民でどのように連携していくべきか、AIによるデータ分析の効果とリスクや相互運用性の問題など、最先端技術を活用し、ヘルスケア分野がさらなる未来に進んでいくための多くの示唆が得られました。

パネルディスカッションの様子
パネルディスカッションの様子
アクセシビリティ研究会主査 山田先生
アクセシビリティ研究会主査 山田先生

 パネディスカッションの後半では、会場からの質疑応答に加え、アクセシビリティ研究会の主査でもある山田先生から、アクセシビリティ研究会での2017年度調査研究活動からの提言(山田氏のプレゼン資料はこちらをクリックください)をご報告いただきました。会場には、100名を超える参加者が集まり、盛況のうちに終了となりました。

スピーカーとプログラム

14:00 ご挨拶 石黒 憲彦 株式会社国際社会経済研究所理事長
14:05 特別講演
「次世代医療基盤法と医療ICTの未来」

堀内 直哉 内閣官房 健康・医療戦略室企画官

14:35 基調講演
「AI・IoT等を活用した健康・医療・介護分野のイノベーション」

末岡 榮三朗 佐賀大学メディカル・イノベーション研究所所長

15:05 海外事例報告
「フィンランドで進むヘルスケア分野のIoT・AI等の活用」

遊間 和子 株式会社国際社会経済研究所主幹研究員

(休憩10分)
15:35 パネルディスカッション
「ヘルスケア分野におけるイノベーションとICTの役割 -EBMからEBPMへ-」
コーディネーター:山田 肇  東洋大学名誉教授
パネリスト(五十音順):
川添 高志  ケアプロ株式会社 代表取締役社長

末岡榮三朗 佐賀大学メディカル・イノベーション研究所所長
根本 昌彦 鎌倉市 政策創造専門委員/株式会社未来戦略研究所代表取締役
平尾 勇  株式会社地域経営プラチナ研究所代表取締役(前 松本ヘルス・ラボ副理事長)

16:45 「まとめと提言」 山田 肇 東洋大学名誉教授/アクセシビリティ研究会主査
16:55 閉会